固定資産税を払っているのに登記していない!?

意外と多い「未登記建物」の落とし穴と対策(滋賀県大津市)

執筆:土地家屋調査士 × 相続診断士 竹内貞直(滋賀県大津市)


【まず最初に】

「固定資産税を払ってる=登記されている」は 完全な誤解 です。

「固定資産税は毎年払っているから大丈夫。」
「うちの建物は登記されてるはず。」

──その思い込み、相続や売却のときに一番トラブルになります。

実際には、
固定資産税は課税されているのに、法務局の登記簿には載っていない(未登記)建物が大量に存在します。

滋賀県内、とくに大津市・草津市あたりでは
「課税されてる=登記済み」
と信じ込んだまま相続が止まるケースが非常に多いです。


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固定資産税と登記簿は “まったく別” の管理です

管理しているところ内容
市区町村固定資産税(課税台帳)
法務局不動産登記(登記簿)

つまり、市役所が課税していても登記されていないことは珍しくありません。

◆未登記になりやすい典型例

  • 昔に建てた母屋・離れ
  • 後から増築した部屋
  • 倉庫・車庫・プレハブ
  • 先代から引き継いだが登記していない建物

未登記建物を放置すると起こる「3つの落とし穴」

相続登記ができない

登記簿が存在しないと
「誰が相続する建物なのか」を証明できません。

結果として、
遺産分割協議が進まない → 相続がストップします。


売却・融資が止まる

未登記の建物は法的には「存在しないもの」と扱われます。

✔ 売却で買主が敬遠
✔ 銀行融資が通らない
✔ 解体時の書類が揃わず手続きが止まる

こんな事例が本当に多いです。


相続人同士で争いに発展

固定資産税の名義だけ先代のまま残り、登記がない。
こうなると、

  • 「誰の建物かわからない」
  • 「誰が費用を負担するのか」
  • 「解体していいのか」

…などで、争いの火種になります。


「うちは大丈夫…?」と少しでも思った方へ

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未登記建物かどうかの確認方法(簡単3ステップ)

① 法務局で登記事項証明書を取得

登記がなければ 完全に未登記 です。

② 固定資産税の課税明細を照合

課税されているのに登記がなければ要注意。

③ 土地家屋調査士に現地調査を依頼

離れ・増築・古い倉庫なども含め、現況を正確に把握できます。


【専門家コメント】

土地家屋調査士 × 相続診断士 竹内貞直(滋賀県大津市)

滋賀県では、
「固定資産税は払ってるのに登記がなかった」
という相談が本当に多いです。

行政は「課税できればよい」ため、
未登記でも容赦なく課税します。

しかし問題は 床面積の算定方法の違い です。

  • 建築基準法で算定 → 広めに計算されやすい
  • 不動産登記法で算定 → 正確な面積で計算

つまり──
未登記のままだと“本来より高い税金”を払い続けている可能性があります。

そして一度評価されると、
その課税ベースが何十年も続いてしまいます。

✔ 固定資産税を適正化
✔ 相続・売却時のトラブル回避
✔ 建物の価値を明確化

これらのためにも、
建物登記は早めに済ませるのが最善です。


【まとめ】

☑固定資産税を払っていても登記されているとは限らない

☑未登記のまま放置 → 相続・売却で確実にトラブル

☑税金を払いすぎている可能性すらある

「うちは大丈夫?」と思った瞬間が、調査のベストタイミングです。

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「未登記建物とは?」

所有者が不明確で、土地や建物が「不動産登記簿」に登録されていない状態のこと。

一般的に「登記漏れ」、「登記忘れ」、「登記されてない」「登記必要?」の建物と呼ばれています。

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📚 参考リンク(公式情報)

法務省|相続登記の義務化
国土地理院|地積測量図・地図整備について
日本土地家屋調査士会連合会|調査士の業務とは

※この記事は、滋賀県大津市の土地家屋調査士・相続診断士 竹内貞直が、相談事例をもとに解説しています。


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