親や祖父母から相続した家を「そのまま名義変更せずに使い続けている」
というケースは意外に多いです。しかし、名義変更が遅れることで、後から思わぬトラブルやデメリットに直面することがあります。この記事では、名義変更の遅れがもたらすリスクやトラブルを解説し、早めの対応の重要性をお伝えします。
相続した家の名義変更が遅れる背景とは？
• 親が元気なうちは手続きを後回しにしがち
• 手続きの面倒さや費用を理由に放置
• 不動産の権利関係が複雑でわかりにくい
こうした理由で名義変更をしないまま長期間経過してしまうケースが目立ちます。
名義変更が遅れることで起こる主なデメリット
（1）不動産の売買・担保設定ができない
名義が変わっていなければ、売却や銀行ローンの担保にできません。資金調達や転売の際に大きな障害となります。
（2）相続トラブルの原因に
名義が曖昧だと、相続人間で「誰のものか？」で揉めるリスクが高まります。遺産分割協議もまとまりにくくなります。
（3）税務申告や固定資産税の支払いトラブル
名義変更が遅れると、相続税や固定資産税の申告漏れが発生しやすくなります。追徴課税やペナルティの対象になることも。
（4）管理責任があいまいに
未登記の建物や名義不明の不動産は、管理責任の所在が不明確です。空き家問題の発生や行政からの指導が入ることもあります。
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法務省｜相続登記の義務化
国土地理院｜地積測量図・地図整備について
日本土地家屋調査士会連合会｜調査士の業務とは
※この記事は、滋賀県大津市の土地家屋調査士・相続診断士 竹内貞直が、相談事例をもとに解説しています。
名義変更を早めに行うメリット
• 売買や担保設定などの不動産取引がスムーズに
• 相続人間のトラブル防止に
• 税務申告や納税の手続きが円滑に
• 空き家問題や管理責任でのリスク軽減
具体的な名義変更の手続きの流れ
•必要書類の収集（戸籍謄本、遺産分割協議書など）
•測量や登記申請（建物の登記が未完了の場合は追加申請）
•法務局で名義変更登記申請
•税務署へ相続税・固定資産税の申告・納税
まとめ
名義変更を放置することは、将来的に売却・相続トラブル・税務問題など多くのリスクを伴います。親が元気なうちに、早めの名義変更手続きを検討しましょう。専門家のアドバイスを受けることも重要です。
【土地家屋調査士×相続診断士 竹内貞直コメント】
「名義変更が遅れてからのトラブルは想像以上に複雑で、費用も時間もかかるケースが多いです。
建築確認、売買契約書など重要書類が紛失した、相続人が増えて手続きが煩雑になったなど。
だから相続した建物は早めに登記を整えておくことが、円滑な財産管理と家族円満のために最も大切な一歩だと実感しています。」
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