登記していないと“火災保険が下りない”ことがある!?

建物保険と登記の知らないと危険な関係

✍️ 執筆者:土地家屋調査士 × 相続診断士
竹内貞直(滋賀県大津市)


【まず最初に】

「火災保険に入っているから安心」
…これは、未登記建物では通用しません。

実際のご相談で多いのが、

「親が建てた家に住んでいるけど、登記していない」
「空き家を相続したが、その家が未登記だった」

というケース。

そして、この状態で火災や災害が起きたとき——

👉 保険金が下りない/大幅に遅れるリスクがあります。

しかも「登記がない」だけで支払いが半年以上止まった例も。
この記事では、火災保険 × 未登記建物の危険性と、
今すぐ取るべき対策を専門家の視点で解説します。

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【見出し①】

「登記していない=保険が下りない」ではないが…危険は山ほどあります

火災保険の契約自体は、登記がなくても可能 です。
しかし、問題は “いざ支払いのとき”

保険金を払う際、保険会社が最も重視するのは

「その建物は本当にあなたのものか?」

という所有者証明です。

未登記だと、この証明がとにかく困難になります。


【見出し②】

🔥 登記がないと「火災保険が下りない」3大リスク

❌ リスク① 所有者の証明ができず、支払いが遅れる・拒否される

火災保険では、

  • その建物は誰のものか
  • 住んでいたのは誰か
  • 契約者は正しいか

を厳密に確認します。

未登記のままだと、

  • 相続人が複数いて所有者が不明
  • 契約者と実際の居住者が異なる
  • 「あなたの所有物ではない」と判断される

などにより、
保険金が支払われないケースがあります。


❌ リスク② 保険金が“別の人”に支払われる可能性

登記がないと、
保険契約者と所有者が一致していない
というズレが起きます。

相続が絡むと
「誰が所有者か?」
が曖昧になり…

  • 想定外の相続人に保険金が渡る
  • 保険会社が支払いを保留する

というトラブルが実際に起こっています。


❌ リスク③ 火災後の再建でローンが組めない

火災で建物が消失したあと、
建て直すには住宅ローンを使う方が多いですが…

未登記だと、

  • 担保設定できない
  • 融資が下りない
  • 火災後の再契約もできない

など、再建そのものが止まる ことがあります。


【見出し③】

だから今すぐ「建物表題登記」が必要です

未登記建物のリスクを消すには、

👉 建物の表題登記(=建物の出生届)

をしておくことが最重要です。

登記が済んでいれば…

  • 保険金支払いがスムーズ
  • 相続や売却で名義トラブル減少
  • 災害時の証明資料が揃う

とにかく「証明力」が段違いです。


【実例】

火災後「登記がない」ことで補償が半年ストップしたケース

相続した実家(未登記)が全焼。
火災保険には入っていたものの、
登記簿がないため所有者確認ができず半年間保留。

その間、

  • 仮住まい費用は自己負担
  • 再建計画も立てられない

という大きな損害を受けました。

未登記の家ほど、こうしたトラブルが多く起こります。


【見出し④】

未登記のまま保険に入る場合の注意点

最低限、次の資料が必要です。

  • 建物の写真・図面
  • 固定資産税の課税明細
  • 相続後は相続登記+表題登記を同時に行う

しかしこれは 応急処置 にすぎません。

保険会社が一番信用する資料は

👉 登記簿

だけだからです。

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【土地家屋調査士 × 相続診断士 竹内貞直 コメント】

滋賀県では、「火災保険に入っているのに、建物が未登記だったために支払いが止まる」 という相談が年々増えています。

実際に私が担当したケースでも、
相続した実家が未登記のまま全焼してしまい、保険会社から

  • 「所有者を証明できる資料を出してください」
  • 「登記がないので確認に時間がかかります」

と言われ、保険金の支払いが約3ヶ月ストップした例がありました。

このご家族は、

  • 建築当時の資料が残っていない
  • 固定資産税の明細しかない
  • 相続登記も未了

という“三重苦”の状態でした。

そこで私は、

  • 建物の現況調査
  • 近隣聞き取り
  • 建築時期の上申書作成
  • 被害状況の写真整理
  • 固定資産税データの照会

などを積み重ね、保険会社に提出する“実在性と所有者の証明セット”を整備
その結果、ようやく保険金が支払われ、ご家族も「ようやく先に進める…」と安心されたのを覚えています。

🔥 結論:未登記 × 火災保険は、本当にトラブルが多いです。

火事の後に
「登記があれば、こんなに時間がかからなかったのに…」
と後悔される方を、私は何度も見てきました。

特に滋賀県大津市・草津市・守山市周辺では、

  • 昭和40〜50年代の木造住宅が未登記のまま残っている
  • 親世代が資料を残していない
  • 空き家のまま相続されている

という背景から、同じようなトラブルが起こりやすい地域です。

💡 火災保険の前に、まず「登記があるかどうか」を確認する
これが一番のリスク対策になります。

「未登記かもしれない」
「書類がない」「ここまで進んでしまったけど大丈夫?」
というご相談でも、状況を伺えば 最短で終わらせるルートを提案できます

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【まとめ】

  • ✔️ 未登記建物は“火災保険の支払い遅延・拒否”のリスク大
  • ✔️ 相続や空き家ほど未登記が多い
  • ✔️ 建物表題登記があるだけで保険金支払いがスムーズ
  • ✔️ 再建やローンにも影響
  • ✔️ まずは登記されているかどうか確認を

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所有者が不明確で、土地や建物が「不動産登記簿」に登録されていない状態のこと。

一般的に「登記漏れ」、「登記忘れ」、「登記されてない」「登記必要?」の建物と呼ばれています。

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📚 参考リンク(公式情報)

法務省|相続登記の義務化
国土地理院|地積測量図・地図整備について
日本土地家屋調査士会連合会|調査士の業務とは

※この記事は、滋賀県大津市の土地家屋調査士・相続診断士 竹内貞直が、相談事例をもとに解説しています。


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