古い木造住宅の調査をしていると、
「柱の間隔がどうもおかしい…」
という建物に出会うことがあります。
測ってみると
- 0.91m
- 0.98m前後
など、柱芯の間隔がバラバラになっていることがあります。
これは多くの場合、
京間と江戸間の建物が混ざっている家です。
実は昭和の建物では、こうしたケースは珍しくありません。
江戸間と京間の違い
日本の木造住宅には、畳のサイズによって主に次の2つの規格があります。
江戸間(関東間)
柱芯の間隔
約0.91m(3尺)
関東を中心に広く使われてきた規格です。
京間(本間)
柱芯の間隔
約0.955m〜0.985m
関西や西日本で使われてきた規格です。
江戸間より少し大きくなります。
なぜ京間と江戸間が混ざるのか
古い住宅では、次のような理由で混在することがあります。
① 増築を別の大工が行った
例えば
- 母屋(京間)
- 後から増築(江戸間)
など、別の大工が建てると規格が変わることがあります。
② 納屋や離れを後からつないだ
よくあるのが
- 居宅
- 納屋
- 倉庫
などを渡り廊下でつないで一体化している建物です。
元々別の建物だったため、柱間が違うことがあります。
③ 昭和の増築文化
昔の家では
- 台所を増築
- 風呂を増築
- 部屋を増築
ということが普通に行われていました。
その結果、建物全体としては
複数のモジュールが混在する建物になります。
建物図面を作るときの考え方
このような建物では、図面作成に少し工夫が必要です。
土地家屋調査士は次のような方法で整理します。
① 外周を実測する
まず最初に、建物の外周を実測します。
古い建物では
- 図面なし
- 増築あり
というケースが多いため、現地実測が基本になります。
② 柱芯のモジュールを確認する
次に建物内部で
- 柱芯
- 壁芯
の寸法を確認します。
例えば
- 0.91m系 → 江戸間
- 0.98m前後 → 京間
など、モジュールが見えてきます。
③ 建物をブロックで考える
京間と江戸間が混ざっている場合は、
建物全体を
- 母屋部分
- 増築部分
- 納屋部分
などのブロックで整理します。
それぞれのブロックごとに柱間の規格が違うことが多いためです。
④ 合わない部分は実測値を優先
増築部分などでは
- 斜めの壁
- 台形の部屋
- 外壁実測しかできない部分
などが出てくることがあります。
その場合は
実測寸法を優先して図面を作成します。
実務ではかなり頭を使う作業
古い住宅の建物図面作成は、
- 図面なし
- 増築あり
- モジュール混在
というケースも多く、
単純なCAD作業ではありません。
柱位置や建物構造を整理しながら図面を組み立てていく、
土地家屋調査士ならではの仕事です。
古い家でも建物登記は可能
京間と江戸間が混ざっている建物でも、
- 実測
- 現地調査
- 図面作成
を行えば、建物登記は可能です。
図面がない古い家でも対応できる場合が多いので、
まずは専門家に相談することをおすすめします。
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