親の土地を名義変更しないとどうなる?|将来の相続で“困る人”にならないために

「親名義のまま、特に問題もなく今も使っている」

「実家の土地、登記のことなんて考えたことがなかった」

――そんな方こそ、注意が必要です。


2024年4月からは「相続登記が義務化」され、
放置したままでは“違反”となる可能性があるうえに、
将来の相続時に深刻なトラブルや損失が発生するケースも珍しくありません。

この記事では、名義変更をしないことで実際に起こりうる問題と、
早めに手続きを進めておくべき理由を、土地家屋調査士の視点から解説します。


■ 名義変更していない土地、何が問題なの?

名義変更(相続登記)をせずに放置していると、次のようなリスクが発生します。

リスク内容 詳細例

売却・貸出ができない 不動産の所有者が亡くなったままでは、登記上の「所有者不明」となり、契約行為ができません。

相続人が増える 時間が経つにつれて、相続人が子や孫、さらには甥姪などに広がり、話がまとまりにくくなります。

相続登記義務化の違反 2024年以降は、正当な理由なく3年以内に登記をしないと、過料(最大10万円)が科される可能性も。

固定資産税の混乱 名義が古いままだと、納税通知が届かない/誰が払うのか不明確になるケースも。


【土地家屋調査士×相続診断士 竹内貞直コメント】

大津市瀬田にある親の土地を20年以上放置。

4年前に建物が家事になりそのまま1年が経過していた。

相続人が兄弟5人に増え、うち2人が音信不通。

「売却できない」「協議がまとまらない」状態になり、相続登記も進まず、実質“資産凍結”のような状態になってしまった。


■ 名義変更(相続登記)は早めが断然お得な理由

相続登記を早く済ませておくことで、以下のようなメリットがあります。

✅ 将来の売却・活用の準備ができる

✅ 固定資産税などの負担者が明確になる

✅ 相続人同士の関係が良好なうちに進められる

✅ 必要な書類(戸籍・評価証明など)が揃えやすい

✅ 将来の手間と費用が格段に減る


■ 名義変更は「調査+登記」の専門家におまかせを

相続登記は司法書士の仕事ですが、登記前の調査(土地の測量・境界確認・現況確認)が必要になるケースが増えています。

• 敷地の一部が里道・水路など公有地と混在している

• 複数の土地に分かれていて現況と登記がズレている

• 境界が曖昧なため、分筆や地積更正が必要になる

こうしたケースでは、土地家屋調査士の出番です。


当事務所では、相続登記に向けた「土地・建物の調査パック」をご用意し、
司法書士との連携体制も整っております。


「そのうちやる」では、間に合わないのが相続登記です。
親の土地の名義を変更しないままでいると、

• 売れない

• 分けられない

• 相続できない

という深刻な事態を招くことがあります。

トラブルを防ぐためにも、“使っている今”こそが、名義変更のベストタイミングです。

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所有者が不明確で、土地や建物が「不動産登記簿」に登録されていない状態のこと。

一般的に「登記漏れ」、「登記忘れ」、「登記されてない」「登記必要?」の建物と呼ばれています。

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📚 参考リンク(公式情報)

法務省|相続登記の義務化
国土地理院|地積測量図・地図整備について
日本土地家屋調査士会連合会|調査士の業務とは

※この記事は、滋賀県大津市の土地家屋調査士・相続診断士 竹内貞直が、相談事例をもとに解説しています。


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