「亡くなった祖父の家、実はもう無い」…滅失登記されていないとどうなる?【滋賀県大津市版】


「祖父の家はもう壊したのに、登記簿にはまだ残っている」
そんなケース、実は相続相談の現場で非常に多いです。

建物がすでに存在しないのに、登記上は“まだ建っている”――
この状態を放置すると、売却も相続も進まない、税金も整理できないなどの問題に直面します。

本記事では、土地家屋調査士 × 相続診断士の視点から、
「滅失登記をしないリスク」と「今すぐできる対応策」をわかりやすく解説します。

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◆ 滅失登記とは?

滅失登記とは、建物が取り壊された・火災で全焼した・自然災害で倒壊したなど、「物理的に存在しなくなった建物」を法的に“存在しないものとして記録する”ための手続きです。

• 法務局に「建物滅失登記」を申請することで、建物の登記簿が閉鎖されます。
• 通常、解体後1カ月以内に申請することが求められます。


◆ なぜ田舎に多い?数次相続と滅失未登記の関係

田舎では次のような背景から滅失登記が放置されやすくなります。
• 建物の解体に立ち会った親世代がすでに他界している
• 数次相続(相続人が複数代にわたっている)で、誰が手続きすべきか不明
• 「古い家だし、もう誰も住まないからそのままでいい」と判断して放置

結果的に、建物が無いのに登記簿にはある=法的には“建っている”ことになっているという状態に。

特に滋賀県や地方部では「祖父・曾祖父の代から建物の登記がそのまま」というケースが目立ちます。
解体に立ち会った方がすでに他界していたり、相続人が10人以上になっていたり…。
このような“誰の手続きでもないまま放置”が、後の世代に大きな負担を残します。


◆ 滅失登記をしないと起きるトラブル

① 相続登記が止まる

不動産の相続登記を行う際、建物の登記簿が生きていると、建物の処理も必要になります。
「実体のない建物の相続登記をするのか?滅失登記を入れるのか?」という話になり、余計な手間と費用がかかります。


② 土地の評価に影響が出る

建物が残っているとみなされると、土地に対して固定資産税の特例(住宅用地特例)が適用される場合があります。
滅失登記をしていないことで、「課税上は建物あり=特例適用」とされ、
その後、特例の解除・還付請求など面倒な処理になる可能性も。


③ 土地の売却・利活用ができない

買主が不動産調査をする際に、登記簿には建物あり、現地は更地という齟齬があると、
「手続きが煩雑」「リスクがある」と判断され、売買交渉が進まない要因になります。

④ 所有者不明化の第一歩になる

滅失登記がされていないまま時間が経過すると、相続人がさらに増え、誰も管理できない「所有者不明建物」になります。
結果として、土地活用も相続登記もできず、固定資産税だけが継続課税されることに。
“建物を壊したら終わり”ではなく、“登記を消す”ところまでが必要です。

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◆ 対応策:建物がないと気づいたら「まず滅失登記」

● 滅失登記には以下の書類が必要です:

• 建物滅失登記申請書
• 原因を証明する資料(例:解体業者の取り壊し証明書など)
• 代理申請の場合は委任状
また、建物の現況確認が必要となるため、土地家屋調査士による現地調査・書類作成がスムーズです。

滅失登記は「登記がある=建っている」と扱われる法制度上、空き家問題の根本を解消する第一歩です。
登記簿の確認と現地調査を同時に行うことで、後々の相続・売却・税務手続きが一気にスムーズになります。

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土地家屋調査士 × 相続診断士 竹内貞直におまかせください。


◆ 相続放置が続く前に「今の状態を確認」

すでに建物が倒壊・解体されているにも関わらず、祖父名義・父名義のまま登記が生きていることは、
「相続を整理していない」ことのサインです。
この状態でさらに代が変わると、相続人が10人、20人と増え、誰も管理できない“所有者不明建物”になりかねません。


◆ まとめ:建物が“ない”なら、登記も“なくす”のが大切

✅ 登記簿と現地の状態にズレがあると、「登記手続きの滞り」「税金誤課税」「売却困難」などが発生します。

✅ 特に「祖父名義のまま」「古い家を壊しただけ」という方は、滅失登記の有無を必ず確認してください。

特に滋賀県内は、滅失登記を忘れたまま30年以上放置されているケースが少なくありません。

田舎の空き家問題は、建物そのものではなく、「登記だけが残る」ことから始まるケースがほとんどです。
相続や名義変更を考える際は、建物の現況と登記情報が一致しているかをまず確認しましょう。


◆土地家屋調査士・相続診断士 竹内貞直のコメント

現地ではもう建物が無いのに、登記簿上では“まだ建っている”状態が続いているケースを多く見ます。

たとえば大津市の事例では、昭和の終わりに建物を取り壊したものの、登記はそのまま。
相続が発生して初めて「滅失登記をしていなかった」と気づくのです。

登記漏れのまま時間が経つと、相続人が増え、申請ができなくなったり、書類が集まらなかったりと手続きが複雑化します。

今はまだ間に合います。
「建物がもうない」「登記が残っているかも?」と思ったら、早めにご相談ください。

名義と登記の整理こそが、次の世代への“安心の相続準備”です。

まずは「登記簿と現況のズレがないか」、当事務所までご相談ください。

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所有者が不明確で、土地や建物が「不動産登記簿」に登録されていない状態のこと。

一般的に「登記漏れ」、「登記忘れ」、「登記されてない」「登記必要?」の建物と呼ばれています。

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📚 参考リンク(公式情報)

法務省|相続登記の義務化
国土地理院|地積測量図・地図整備について
日本土地家屋調査士会連合会|調査士の業務とは

※この記事は、滋賀県大津市の土地家屋調査士・相続診断士 竹内貞直が、相談事例をもとに解説しています。


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