古い未登記建物|必要書類がない時の対処法と“放置リスク”【大津市版】

【まず最初に】

「古い家を相続したら登記がなかった…」
「親の家の整理をしているけど、建築確認も契約書も一切残っていない…」

こうした“古い未登記(=登記されてない)建物×書類がない”というご相談は、滋賀県では日常的に寄せられます。

そして、この状態をそのまま放置すると…

  • 相続人が増えて話し合いが困難に
  • 建替え・売却・融資ができなくなる
  • 最悪、法務局や行政の管理対象に
    という深刻なトラブルに発展しかねません。

「書類がない=もう登記できない」と思ってしまう方が多いですが、
実はほとんどのケースで登記可能です。

ただし、**“早く動くほど手間が少なく済む”**というのが現場の事実です。


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■ よくある事例|必要書類が一切ない未登記建物

▼ 事例:祖父が建てた古い家。書類はゼロ、登記もなし

  • 昭和40年代に祖父が建築
  • 建築確認や完了検査の記録なし
  • 固定資産税だけはずっと課税されている
  • でも登記簿上には建物が存在しない

このような状態でも、
法務局に対して“所有者の証明”ができれば登記可能です。


■ 必要書類がない時の対処ステップ(最短ルート)

① 所有者を証明する資料を集める(代替資料でOK)

以下のような“間接的な資料”を組み合わせて証明します。

  • 固定資産税課税台帳
  • 電気・ガス・水道などの名義記録
  • 近隣住民・親族の第三者証明
  • 古い写真・修繕記録

書類がゼロでも、代替資料で所有者証明書類を作成できます。


② 登記原因(新築・相続・売買など)を整理する

古い建物では日付が不明なことがほとんどです。

  • 祖父が建てた → 原因「新築」・日付不詳でOK
  • 祖父が購入した → 原因「所有権移転」・日付不詳でOK

➡ 調査士が法務局と協議し、不明点を補完して整えることで登記可能です。


③ 相続人全員の同意を取る

必要なのは次の書類です。

  • 遺産分割協議書
  • 相続人全員の署名押印
  • 戸籍・相続関係書類

➡ 相続人が多いほど難易度が上がるため、早めの相談が必須です。


■ 放置したときの“本当のリスク”

未登記のまま相続が2世代・3世代と進むと…

  • 相続人が10名以上になり同意が取れなくなる
  • 1人でも連絡が取れないと登記不能に
  • 建替え・売却・融資ができず、土地だけが取り残される
  • 行政から所有者不明扱いされる可能性

相続が進めば進むほど、登記は“ほぼ不可能”に近づきます。


■ 土地家屋調査士・竹内貞直のコメント

滋賀県(大津市・草津市・高島市ほか)では、
未登記+書類ゼロの古い建物が非常に多く残っています。

実務では、

  • 課税台帳
  • 現地調査・測量
  • 近隣への聞取り
  • 法務局との事前協議

などを組み合わせて、書類がなくても登記を再現できます。

ただし、
最も難しいのが「相続人全員の同意が取れないケース」です。

逆に言えば、
相続人が協力してくれる今が“最も登記しやすいタイミング”です。

書類がなくても諦めず、ぜひ早めにご相談ください。


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■ まとめ

  • 書類がなくても登記はできる
  • ただし、証拠資料の準備と相続人全員の同意が必要
  • 放置すると相続が複雑化し、登記不能になる
  • 最短ルートは早めの専門家相談

「どうすればいいか分からない」
その段階こそ、最も早く・最も負担少なく解決できます。


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「未登記建物とは?」

所有者が不明確で、土地や建物が「不動産登記簿」に登録されていない状態のこと。

一般的に「登記漏れ」、「登記忘れ」、「登記されてない」「登記必要?」の建物と呼ばれています。

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📚 参考リンク(公式情報)

法務省|相続登記の義務化
国土地理院|地積測量図・地図整備について
日本土地家屋調査士会連合会|調査士の業務とは

※この記事は、滋賀県大津市の土地家屋調査士・相続診断士 竹内貞直が、相談事例をもとに解説しています。


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