「隣の空き家が長年放置されていて、登記もされていない。
誰が管理しているのかもわからず、不安が募る…」そんな経験はありませんか？
所有者不明の空き家は、劣化による事故や防犯面のリスクが高まるだけでなく、近隣トラブルの温床にもなりやすいものです。今回は、登記されていない空き家のリスクと、近隣住民ができる具体的な対処法を紹介します。
登記されていない空き家のリスクとは？
登記されていない空き家は「所有者不明」となっていることが多く、以下の問題を引き起こします。
• 管理責任者が不明で老朽化が進行
• 倒壊や火災などの事故リスクが増加
• 不審者の侵入や犯罪の温床になる恐れ
• 近隣の景観や生活環境の悪化
• 相続や売却ができず、問題が長期化する
こうしたトラブルは、隣接する住民の安全・安心にも深刻な影響を及ぼします。
近隣トラブルに発展しやすい理由
空き家の所有者が明確でない場合、行政からの指導や管理の要請も届かず、放置状態が続きます。その結果、建物の損壊や雑草の繁茂、害虫の発生などが近隣の生活環境を悪化させ、住民間での摩擦が起きやすくなります。
まずは「登記調査」で所有者を確認しよう
近隣に未登記や所有者不明の空き家がある場合は、まず法務局で「登記簿謄本」の調査をおすすめします。登記簿に所有者の情報が記載されていれば、連絡先の把握や管理責任の所在が明確になり、問題解決の第一歩となります。
• 法務局での登記調査は比較的簡単にできる
• ネットから登記情報提供サービスも利用可能
• 所有者が判明すれば、話し合いを促したり行政に相談したりできる
所有者が不明または連絡が取れない場合の対応策
所有者が登記簿にも載っていなかったり、連絡が取れないケースもあります。その場合は、次のような対応を検討しましょう。
• 市区町村の空き家対策担当窓口に相談する
• 不在者財産管理人の申立て（司法書士などを通じて）を検討
• 隣接者で協力して簡易な管理を行うことも一時的に可能（ただし権利関係に注意）
• 最終的には行政代執行や特定空き家の指定も視野に
まとめ
登記されていない空き家は所有者不明による管理不全が原因で、近隣トラブルの元になりやすい問題です。問題が大きくなる前に、まずは登記調査を行い所有者を特定し、適切な対応を進めることが重要です。安全・安心な生活環境を守るために、早めの行動をおすすめします。
【土地家屋調査士×相続診断士 竹内貞直コメント】
「空き家の登記状況を確認することは、近隣トラブルの予防に非常に効果的です。
登記してあれば、登記簿から住所氏名が確認できます。又、住所がその変わっていても市役所の住民票から移転先を調べることができます。だから最初に法務局での登記簿調査から始めましょう。」
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