■ この記事は「専門的に知りたい方」向けです
- 不動産会社から「まず表題登記してください」と言われた
- 未登記建物があり売却・相続が進まない
- 必要書類を揃えたいが、何が要るか分からない
- 建築時期も所有者も不明で困っている
表題登記は、建物の“戸籍づくり”です。
必要書類が1つ欠けるだけで申請できないため、最初の段階で正確な確認が重要です。
土地家屋調査士として、実務でよくあるケースを踏まえながら、
**「必要書類一覧」+「建築時期や名義が曖昧な場合の対応」**までまとめました。
(執筆:滋賀県大津市/土地家屋調査士・相続診断士 竹内貞直)
■ 【結論】表題登記に必要な書類は「4種類」だけ
建物の表題登記で必須となる書類は、次の4つです。
■ 必要書類①:建物の所有権を証明する書類(最重要)
建築主(建物を建てた人)が誰かを証明する資料です。
▼ 具体例
- 建築確認済証
- 工事請負契約書
- 引渡証明書
- 建物の固定資産税課税台帳
- 名義人の納税通知書
これが無いケースが最も多いため、土地家屋調査士による補完資料が必要になります。
■ 必要書類②:建築時期を証明する書類
建物を「いつ建てたか」を示す資料です。
▼ よく利用する資料
- 建築確認の検査済証
- 建築会社・工務店の記録
- 不動産会社の販売図面
- 固定資産税の課税開始年度
- 昔の航空写真・地番参考図
※昭和の建物では、書類が完全に失われていることが多く、
「課税台帳+現地調査+写真」で補うパターンが一般的です。
■ 必要書類③:所有者の住民票(または戸籍)
名義を誰にするかの証明です。
▼ 状況別の必要書類
● 現所有者が存命
- 住民票
● 名義が祖父母のまま → 相続未登記のケース
- 戸籍(出生〜死亡まで)
- 相続人の戸籍
- 法定相続情報一覧図(あれば早い)
※相続関係の整理は、売却・解体時に必ず必要となります。
■ 必要書類④:建物図面・各階平面図(調査士が作成)
建物の位置・形状・面積を示す図面です。
- 敷地に対する建物の位置関係
- 建物の外形
- 各階の間取り
- 面積(登記床面積)
※実務では光波距離計・TS(トータルステーション)を用いて測量します。
● 建物図面
- 敷地境界線
- 建物外周の寸法
- 北方向
- 附属建物の有無
- 位置指定(距離寸法)
● 各階平面図
- 1階・2階の部屋構成
- 室の区切りライン
- 採光・出入口の位置
- 床面積の算定基準(壁芯)
図面は、表題登記の中核です。
ここが不十分だと補正が入り、売却や融資が遅れる原因になります。
■ 【進め方】表題登記の流れは“5ステップ”
「未登記建物を登記するまでの流れ」を実務ベースで解説します。
① 現況調査(敷地・建物の確認)
- 建物用途
- 材質
- 階数
- 増築の有無
- 建築年代の推定
現地調査で“未登記の見落とし”が最も起こりやすいポイントです。
② 必要書類の収集(所有権・建築時期)
書類が揃うかどうかで、
登記の可否がほぼ決まる最重要ステップです。
不明な場合でも、課税台帳・航空写真・近隣証明などで補完できます。
③ 図面作成(建物図面・各階平面図)
調査士が測量し図面化します。
- 外形寸法の測定
- 間取りの計測
- 角度と距離の補正
- 面積の計算
④ 表題登記申請(法務局)
電子申請または窓口申請で届け出ます。
補正が入る場合は、
- 図面の再確認
- 建築時期の再説明
- 所有権証明の追加
などが必要。
⑤ 登記完了 → 登記事項証明書が発行
通常、1〜2週間程度で完了しますが、
書類不足や相続関係が絡むと1ヶ月以上になるケースもあります。
■ 【よくある質問】書類がない場合はどうすれば?
Q1. 建築確認が残っていません
→ 固定資産税の課税履歴で代用できます。
Q2. 誰が建てたか分かりません
→ 相続人の聞き取り+課税台帳+現地写真で申請可能です。
Q3. 築年数が読み取れない
→ 航空写真(国土画像情報)で年代特定が可能なことが多いです。
Q4. 名義が故人のまま
→ 相続登記 or 表題登記+保存登記のセットが必要です。
■ 表題登記を急ぐべきケース(2025年版)
次に該当する方は、早めの相談が“売却・相続が止まらない唯一の方法”です。
- 売却予定がある
- 住宅ローンを使う買主がいる
- 相続関係が複雑
- 古い増築部分がある
- 建物を近々解体したい
表題登記は、最も時間がかかる手続きなので、後回しにすると詰みます。
■ 【大津市】未登記建物の表題登記は専門対応できます
土地家屋調査士・相続診断士として、
大津市を中心に表題登記・相続建物の調査を多数対応。
▼ 無料で診断できる内容
- 必要書類が揃うか
- 建築時期の特定が可能か
- 図面作成の可否
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一般的に「登記漏れ」、「登記忘れ」、「登記されてない」「登記必要?」の建物と呼ばれています。
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