不動産の売却相談で、よくある質問があります。
「未登記建物があっても、そのまま売却できますよね?」
結論から言うと――
“売れないわけではないが、ほぼ確実に止まります。”
問題になるのは、
売買契約の直前です。
未登記建物があると売却はどうなる?
法律上「絶対に売れない」とは書いていません。
しかし実務では、
- 銀行融資が通らない
- 不動産会社が販売を止める
- 契約直前で追加登記が必要になる
という事態が頻発します。
① 銀行融資が止まる理由
住宅ローンを利用する場合、銀行は
土地の上に存在する“すべての建物”を担保対象にします。
未登記建物があると、
- 担保評価ができない
- 抵当権設定ができない
- 融資実行が保留になる
という流れになります。
小さな建物でも例外ではありません。
たとえば、父が自分で建てた物置でも対象になる場合があります。
詳しくは
👉「物置も登記が必要?判断の分かれ目とは?」
もご確認ください。
② 不動産会社が慎重になる理由
未登記がある物件は、
- トラブルになる可能性
- 手続きが増える
- 売却スケジュールが読めない
という理由から、積極的に販売されにくい傾向があります。
結果として、売却期間が長期化することもあります。
③ 契約直前で発覚するケースが多い
実は一番多いのは、
売却活動が進み、
買主が決まり、契約直前になって発覚するケースです。
不動産会社や買主側の調査で、
「この増築部分、登記されていますか?」
「この物置は登記簿に載っていますか?」
と指摘されます。
そこで初めて、
“増築部分が未登記”であることが判明します。
問題なのは、
この段階ではすでに売買スケジュールが動いているという点です。
そこから急いで、
・現地調査
・建物図面・各階平面図の作成
・建物表題部変更登記の申請
を行うことになり、
結果として、
✔ 契約延期
✔ 引渡し遅延
✔ 買主の不安増大
につながります。
本来は売却前に整理しておくべき内容です。
よくある誤解
「固定資産税を払っているから大丈夫」
これは大きな誤解です。
固定資産税と登記は別制度です。
税金を払っていても、未登記ということは普通にあります。
詳しくは
👉「登記していない建物と固定資産税の関係」
をご覧ください。
「古い建物だから仕方ない」
相続物件では特に多いですが、
- 母屋未登記
- 増築未登記
- 附属建物未登記
が複数重なっているケースもあります。
必要書類が揃わない場合の対処法については、
👉「古い未登記建物の登記|必要書類がない場合の対応策」
で詳しく解説しています。
売却前に必ず確認すべき3つのポイント
未登記トラブルを防ぐには、事前確認がすべてです。
✅ 登記簿と現況が一致しているか
✅ 増築や物置が未登記でないか
✅ 解体済み建物が登記上残っていないか
より詳しいチェック項目は、
👉「売却前に確認すべきチェックリスト」
をご確認ください。
まとめ
未登記建物は、
「法律上売れない」わけではありません。
しかし実務上は、
売却を止める大きな要因になります。
問題になるのは、
売買契約の直前。
慌てて対応すると、時間も費用も余分にかかります。
売却を検討し始めた段階で、
一度確認しておくことをおすすめします。
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