未登記建物 固定資産税 時効のウソ・ホント【滋賀県大津市の場合】

「未登記の建物だから、固定資産税は払わなくていいですよね?」
「時効で消えるって聞いたんですが…?」

――ご相談の現場で、今も本当に多く聞く“誤解”です。

しかし結論から言うと、

❌ 未登記=固定資産税がかからない

❌ 時効で払わなくていい

これはどちらも ほぼウソ です。

しかも、未登記のまま長年放置していると、
相続・売却時に一気にトラブルが噴き出す という共通点もあります。

滋賀県大津市では、古い建物の未登記(=登記されてない)が非常に多く、
“税金の問題”よりも“手続きが止まるリスク”のほうが深刻です。


🔷 結論:未登記でも固定資産税は課税されます

固定資産税は「登記の有無」ではなく、
実際に建物が建っているかどうか で判断されます。

自治体は次のような方法で建物を把握します:

  • 現地調査
  • 航空写真
  • 課税台帳
  • 建築確認情報

ですので、

「未登記=税金がかからない」は完全に誤解です。


🔷 「時効で税金が消える」はごく一部の例外だけ

固定資産税の時効は 5年 ですが、

適用されるのは“自治体が5年以上気づかなかった場合のみ”。

現実として、大津市を含む各自治体は
定期的に現地確認を行っているため、

➤ 5年以上“気づかない”こと自体がほぼありません。

むしろ…

➤ 過去5年分まとめて請求される

というケースが圧倒的に多いです。


🔷 露見するのは「相続のとき」が最多

次のタイミングで、ほぼ100%未登記建物が発覚します:

  • 相続登記
  • 建物表題登記
  • 解体(滅失登記)
  • 売買・贈与・融資

いずれも“登記の専門家”や“自治体”が現場を確認するため、
未登記は必ず表に出ると思ってください。


🔷 放置するとどうなる?

放置すると、こんな事態になります:

  • ❌ 固定資産税5年分まとめて請求
  • ❌ 相続が止まる(書類が揃わず申請不可)
  • ❌ 相続人同士で責任の押し付け合い
  • ❌ 売却時に買主から減額交渉される

さらに最近増えているのが…

➤ 海外在住の相続人

➤ 外国籍相続人の署名証明

➤ 日本の印鑑証明が取得できないケース

今日もまさに、
「ご主人は海外在住で印鑑証明が取れない」
という事案が発生し、外国にある日本領事館で署名証明を取得していただくことになりました。

相続人が増えれば増えるほど、
一人でも署名できない人・連絡が取れない人が出た時点で詰みます。

未登記は、これらの面倒な手続きをさらに複雑化させる“増幅装置”のようなものです。


🔷 少しでも心当たりがある方へ

固定資産税や未登記の問題は、
早く動いた人ほど負担が小さい のが特徴です。

まずは建物の写真1枚からでも大丈夫です。

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💬 土地家屋調査士 × 相続診断士 竹内貞直 コメント

滋賀県(大津市・野洲市・近江八幡市など)では
古い未登記建物が本当に多く、こうした相談が後を絶ちません。

特に誤解されがちなのが、

  • 「未登記だから税金はかからない」
  • 「時効で払わなくていい」

という“都市伝説”のような情報です。

実務上は、

➤ 未登記でも課税される

➤ 時効はほぼ期待できない

➤ 放置すると相続で手続きが止まる

というケースが圧倒的多数です。

実際、母屋・離れ・倉庫のあるお宅で登記整理をした際、
未登記部分の所有者確認のため 相続人全員の署名 が必要になりました。

幸い円満に進みましたが、
もし相続人が海外在住だったり、外国籍だったりすると、
署名証明の取得だけで大きく時間・費用がかかります。


✅ まとめ

  • 未登記建物でも固定資産税は課税される
  • 「時効になる」はほぼ誤解
  • 放置すると相続・売却で大トラブル
  • 根本解決には“現況調査+登記整理”が必須

未登記は、早く動いた人が一番得をする問題 です。


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一般的に「登記漏れ」、「登記忘れ」、「登記されてない」「登記必要?」の建物と呼ばれています。

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法務省|相続登記の義務化
国土地理院|地積測量図・地図整備について
日本土地家屋調査士会連合会|調査士の業務とは

※この記事は、滋賀県大津市の土地家屋調査士・相続診断士 竹内貞直が、相談事例をもとに解説しています。


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